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自宅で血圧を測ってみましょう! |
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血圧は常に一定の値ではなく、日内変動(1日の中で時間によって血圧が変動する)や季節変動(1年間で季節によって血圧が変動する)があることが知られています。最近では、クリニックや病院では血圧が正常でも自宅では血圧が高い「仮面高血圧(かくれ高血圧)」や、逆にクリニックや病院でのみ血圧が高くなる「白衣高血圧」など、クリニックや病院と自宅とで血圧が異なる例がたくさん見られることも明らかとなってきました。現在、白衣高血圧は治療の必要がないとされています。
従って、クリニックや病院で2週間から4週間の外来受診時に1回血圧を測定するだけでは、高血圧の診断・治療(血圧のコントロール)のためには不十分と思われます。さかいクリニックでは高血圧が疑われる方、高血圧の治療を必要とされる方には自宅での血圧チェックをお勧めしています。
尚、一般に高血圧の基準は「最高血圧140mmHg以上かつ/または最低血圧90mmHg以上」ですが、家庭血圧においての高血圧の基準は、「最高血圧135mmHg以上かつ/または最低血圧85mmHg以上」と基準がやや厳しくなりますので、ご注意下さい。
以下に自宅で血圧を測定、記録する場合の要点をお示しします。
- 血圧計はできるだけ上腕(二の腕)で測定するタイプのものにして下さい。手首、指先で測定するタイプは不正確になりがちです。
- 朝は起床後1時間以内に、排尿後、朝食前、降圧剤を服薬する前に、座位にて1〜2分の安静後に測定して下さい。
- 夜は就寝前、座位にて1〜2分の安静後に測定して下さい。
- その他に決まった時間でなくても構いませんので、ご自分の生活に合わせて、測定が可能な時に測定して下さい。その場合には何時頃、または何をした時、した後などとコメントを入れて記録しておけばより有用です。
- 血圧は1度の測定の際に何度も測定すると徐々に低下する傾向があります。完全に決まったルールはありませんが、上記の方法(座位にて1〜2分の安静後)で測定している場合には、1度目または2度目の数字を記載して下さい。その際、比較のために測定時には毎回同様にして下さい。
- 血圧は変動があるのが普通ですので、症状がなければ1回1回の値に一喜一憂することはありません。
- 特に不整脈(心房細動など)のある方は、より血圧がばらつきやすい傾向にあります。
- 都合により血圧が測れない場合もあると思います。その場合でも外来受診時には、遠慮せず測定記録をご持参下さい。クリニックでの1回の測定よりも、例え2回でも3回でも自宅の血圧記録があれば情報量が多くなることは明かです。
血圧を測ることが返って患者さまの精神的な負担になってしまうことがあります。ある程度気楽な気持ちで、1回1回の値に一喜一憂することなく、無理なく測定できる範囲で測定して記録するようにしていけばいいでしょう。自分の健康を管理する一つのバロメーターと思って下さい。
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